2008年10月18日

FileMaker Server 大全 ― ver. 9 対応

FileMaker Server大全―ver.9対応
新居 雅行
ラトルズ
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新居雅行さんよりご著書「FileMaker Server 大全 ― ver. 9 対応」をお送りいただきました。アメリカまでの送料もご負担いただいて恐縮です。どうもありがとうございました。

先の「新・リレーションで極めるFileMaker」では FileMaker におけるデータベース設計の基本を判りやすく解説されていますが、今回の「FileMaker Server 大全」では、サーバーの構成からインストール、セットアップ、インスタントWeb公開、PHPによるカスタムWebアプリケーション開発まで幅広くカバーされています。また、最新の FileMaker Server 9 に基づいた内容となっています。

[追記 2009-02-10]
著者による「FileMaker Server大全 出版後情報・読者サポート」サイトにて、FileMaker Server 10 についての補足情報が詳しく解説されています。
[追記 ここまで]

例えば web 公開を前提としたシステムでは、(1) FileMaker データベースサーバ、(2) Web 公開エンジン、(3) Web サーバ、の3つのレイヤーがありますが、これを一つのハードウェア上に構築することもできますし、負荷分散のためにスケーラブルな構成をとることもできます。FM Server のドキュメントにも詳しく書かれていることではありますが、はじめて FileMaker の web 公開をやろうという人にとってはわかり難いところです。

本書では第1章にてその概要が解説されており、実際のシステム構築の前に全体像を俯瞰して理解することができます。

また実際に FileMaker Server システムの構築と運用にあたって、とても重要な一方なかなか理解しにくいアクセスコントロールの設定についても詳しく説明されています。

本書で特にページ数をさいて解説されているのが、FM Server 9 から正式サポートされた FileMaker API for PHP によるカスタム Web アプリケーション開発についてです。

FileMaker API for PHP の解説にとどまらず、PHPプログラミングの基礎や、一般的なWebアプリケーション開発の基礎にまで踏み込まれており、FM Server 9 を使って初めてカスタムWebアプリケーションにチャレンジしようというユーザにとってみれば至れり尽くせりの内容となっています。

私自身を振り返ってみれば、FM6 で CDML を使ってカスタムWeb開発の経験しかなかった当時、FM Server 7 で PHP + FX.php によるWebシステム開発にあたっては、なかなかその勘所がつかめず、苦労したものです。

FM7で大きく変わったデータベース構築法や、XML公開インタフェース、FX.phpやPHPのプログラミング、そしてWebアプリケーションの開発ノウハウなど、全く未経験なことだらけでした。どこから手をつけて良いやらわからず、それぞれ学べども先が見えず、自分のやっていることが正しいのか常に不安でした。

このブログを始めたのも、当時あまり共有されていなかったそういうノウハウや試行錯誤の経験を、未熟ながらも公開することによって、多少なりとも他の開発者の役に立ちたい一心でした。また公開することによって、経験豊富な開発者のみなさんから、より良い方法やアドバイスをいただくこともできました。

望むべくもないことですが、その当時、こんな本に出会えていたなら、おそらく数ヶ月もの時間が省けたことでしょう。いやあ、良い時代になったものです(笑)

もちろん、本を読むだけで手を動かさなければ何も生まれません。言うまでもありませんが。

目次
第1章 FileMaker Serverのセットアップ
1-1 FileMakerをサーバで使う理由
1-2 インストールと基本的なセットアップ
1-3 複数のサーバを利用した構成

第2章 FileMaker Serverの管理ツール
2-1 Admin Consoleと管理画面の参照
2-2 データベースの公開とサーバの設定
2-3 データベースクライアントの管理

第3章 サーバで公開するデータベース
3-1 FileMakerのアクセス権モデル
3-2 アクセス権の設定とマルチユーザデータベース

第4章 サーバの運用とメンテナンス
4-1 ログとメンテナンス機能
4-2 データベースのバックアップとスケジュールタスク
4-3 ODBC/JDBCサーバの運用

第5章 PHPの基礎
5-1 PHPのプログラミングの基礎
5-2 文字列とmbstring
5-3 制御構造、関数、クラス
5-4 配列と配列関数
5-5 日付、時刻

第6章 WebサーバとWeb公開エンジンの管理
6-1 Web公開エンジンの設定
6-2 FileMaker API for PHPを使う
6-3 インスタントWeb公開で使うデータベース

第7章 FileMaker API for PHPによるデータベース処理
7-1 FileMakerクラスとFileMaker_Commandクラス
7-2 レコードのデータの取り出し
7-3 レコードの作成、削除、変更
7-4 その他の機能
7-5 エラーコードのリファレンス

第8章 Webアプリケーションの作成
8-1 PHPサイトアシスタントを使う
8-2 HTTPプロトコル
8-3 フォーム作成とフォーム処理
8-4 ユーザ認証とセキュリティ
8-5 レコードの一覧を複数ページで表示するメール送信を伴うアプリケーション



posted by Kojima at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 参考書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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