FileMaker Server カスタムWebテクニック改訂版
posted with amazlet at 08.11.15
松尾 篤
ビー・エヌ・エヌ新社
売り上げランキング: 30806
ビー・エヌ・エヌ新社
売り上げランキング: 30806
著者の松尾 篤さんより「FileMaker Server カスタムWebテクニック 改訂版」をお送りいただきました。海外までの送料もご負担いただいて恐縮です。どうもありがとうございました。
この新著は以前にご紹介した「FileMaker Server カスタムWebテクニック」の改訂版で、2008年10月に出版されました。
FileMaker 7 ベースだった前著の内容を FIleMaker Server 9 に基づいたものに一新されています。さらにサーバのセットアップについても詳しい手順がたくさんのスクリーンショットとともに追加されました。前の記事でも書きましたが、web 公開を前提としたシステムでは、(1) FileMaker データベースサーバ、(2) Web 公開エンジン、(3) Web サーバ、の3つのレイヤーがあり、その佼成についてよく理解していないと、設定がなかなか大変です。「改訂版」ではここもカバーされていますので、XML/XSLTによるカスタムWebシステム開発にはこれ1冊でOK、といったところです。
前著に引き続きこの「改訂版」でも、FIleMaker Server の持つ XML/XSLT によるカスタムWeb公開に絞った内容となっています。XML/XSLT によるカスタムWeb開発は、PHPによる開発手法が正式にサポートされた現在では、あまり注目されない方法かも知れません。しかし、インスタントWeb公開では機能が限定され過ぎている、だが、PHPですべて開発するのも大変、といった場合には今でも有効な選択肢だと思います。
また FileMaker API for PHP や FX.php で開発する場合においても、それらの内部では FIleMaker の XML 公開機能が使われており、その特徴を理解することによって、効果的な開発を行なったり、デバッグに役立ったりします。
私自身、FX.php にて開発を行なった際、なかなか思ったように動かないところがあったりすると、前著をひもといて XML 公開のレベルでどのように動作しているのかを調べたりしました。(松尾さんにもいろいろお世話になりました!)
FileMaker Server 7 で XML/XSLT によるカスタムWeb開発手法が提供されて以来4年以上になりますが、これほど詳しく解説された書籍は、英語でもいまだにないように思います。ご自身の豊富な経験に基づく知見を惜しみなく公開していただいた著者に、心から感謝を申し上げます。
目次
第1章 イントロダクション
・1.1 FileMakerの特長
・1.2 FileMakerによるWeb公開
・1.3 FileMakerの製品構成
・1.4 FileMakerのWeb公開機能の歴史
・1.5 バージョン6以前のカスタムWeb公開との違い
・1.6 バージョン7以降におけるカスタムWeb公開の新機能と改善点
・1.7 カスタムWeb公開技術の概要
・1.8 カスタムWeb公開に使用するソフトウェア
・1.9 カスタムWeb公開の仕組み
第2章 FileMaker Server 9のセットアップ
・2.1 FileMaker Serverをインストールする前の確認事項
・2.2 FileMaker Serverのインストール
・2.3 データベース公開のための設定
第3章 データの取得と処理
・3.1 Web公開エンジンの情報の取得
・3.2 データベース情報の取得
・3.3 データベース処理の実行
・3.4 オブジェクトフィールドのデータの表示
・3.5 クライアント情報の取得
第4章 出力結果の調整
・4.1 出力方法の指定と調整
・4.2 文字列の加工と操作
・4.3 数値演算
・4.4 条件分岐
・4.5 日付と時刻の処理
・4.6 エラー処理
第5章 Web公開エンジンが備える機能の活用
・5.1 メールの送信
・5.2 Cookieの利用
・5.3 セッション拡張関数
・5.4 ヘッダー関数の活用
・5.5 ログの利用
・5.6 その他の機能
第6章 セキュリティ
・6.1 FileMaker Server 9のセキュリティ機能
・6.2 Webアプリケーション開発における注意点
第7章 XSLT機能の拡張
・7.1 Javaによる機能拡張
・7.2 スクリプト言語による機能拡張
付録
・付録A FileMakerデータベースのエラーコード番号
・付録B FileMaker XSLT拡張関数のエラーコード番号