前回の「RDBMS上でのテーブル定義」のステップが、一連の手順の中で最も注意が必要なのは、読んでいただければお分かりかと思います。ここが正しくなされていないと、今回以降の手順で問題が生じてきます。
さて、MySQL 上にテーブルの定義が完了したら、FileMaker からそれら外部SQLデータソースにアクセスできるように設定する必要があります。
FileMaker Server を利用できる場合は、ODBC ドライバをサーバにだけインストールして、各 FileMaker Pro クライアントからはサーバ経由で外部SQLデータソースにアクセすることができます。以下、FIleMaker Server を使用する前提で説明します。
サーバでホストされるデータベースを、外部SQLデータソースを利用するように変更するには、その作業はその ODBC ドライバがインストールされているサーバ機上で行なうか、そのデータベースファイルをサーバーで公開された状態で、リモートから作業を行なう必要があります。
また、ODBCドライバの設定等の手順は、ジェネコムの高岡幸生さんのご著書「FileMaker Pro 開発運用講座」Chapter 10 に詳しく解説されていますので、ご参照下さい。
ここでは、MySQL上に作成したテーブル(群)に対するODBCドライバの設定が済んでいるものとして、その先を説明します。
対象となるデータベースを FileMaker で開いたら、メニューの「ファイル」→「管理」→「データベース…」を選び、リレーションシップグラフを表示します。「テーブルを追加」ボタンをクリックすると「テーブルを指定」というダイアログボックスが開きますので、データソース・ポップアップメニューの中の「ODBCデータソースの追加…」を選びます。
ODBCドライバで設定したデータソースが表示されますので、それを選びます。MySQLのユーザ名やパスワードを必要に応じて入力します。。データソース名は、他のFileMaker上のものと一目で区別できるような名前をつけておくと後で便利です。
ODBCデータソースが追加されると、先ほどの「テーブルを指定」というダイアログボックスで、MySQL上のテーブルが選べるようになります。
その FileMaker データベースファイルの中のテーブルの、置き換える先となる MySQL テーブルを選び、ダイアログボックスを閉じます。すると、リレーションシップグラフ上に、選んだテーブルのテーブルオカレンスが表示されます。複数の FileMaker ファイルでリレーションを構築した時と同じように、MySQLテーブル名は斜体で表示されています。このように、テーブルの実体がそのデータベースファイルに存在しないものを「シャドウテーブル」と呼びます。
データベース管理の「テーブル」や「フィールド」のタブを選ぶと、シャドウテーブルのテーブル定義を確認することができます。
これで、MySQ L上のテーブルを FileMaker から利用できるようになりました。次回は、元の FileMaker テーブルから MySQL テーブルへのデータのインポートを説明します。