高岡 幸生 株式会社ジェネコム
オーム社
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ジェネコムの高岡さんより、2008年4月に出版されたご著書「
FileMaker Pro 開発運用講座」を頂戴しました。どうもありがとうございます。アメリカまでの高い送料もご負担いただき恐縮です。
早速読ませていただきました。最新版の FileMaker Pro 9 に基づいた内容になっています。目次をご覧になればおわかりのように、FileMaker データベースシステム開発の基本から、本格運用のノウハウまでカバーされています。
「CHAPTER 5 リレーションシップとその用途」では、FileMaker 独特のリレーションシップについて、詳しく解説されています。リレーションシップの設計にはいろいろな癖というか、落とし穴があって、私も
いろいろはまりましたが、そういった「経験してみないとその意味・重要性がわからない」ようなところが丁寧に書かれています。経験者からすると「そう、そう、そうなんだよなあ」といった感じでしょうか。
「CHAPTER 6 リレーションシップの応用」では、FileMaker 7 で導入された、FileMaker 独特の概念である
テーブルオカレンスについて、まるごと1章かけて解説されており、本格的なシステム開発における重要なテクニックである「テーブルオカレンス・グループ」の活用についても触れられています。
また「CHAPTER 10 RDBMSとの連携運用」では、これまであまりノウハウが共有されて来なかった ODBC 接続や、FileMaker Pro 9 での新しい機能である、外部SQLデータソースについても、具体的なシステム構築事例とともに記述されています。
FileMaker Pro は、データベース経験のない方でもそれなりのものが作れてしまう優れた製品です。しかし、作ったものを自分一人で使うだけなら「それなり」でも良いのですが、複数ユーザで使う、テーブル数やレコード数が大きい、業務が依存できる信頼性を確保する、仕様変更に対応する、等々の「本格的」業務システムを開発しようとすると、様々な開発運用ノウハウが必要になってきます。
また、MySQL 等他の RDBMS 開発経験者からすると、FileMaker にはそれらと大きく異なる独自の概念が存在し、それが FileMaker において最適な設計・開発を理解する障壁ともなってしまいがちです。
本書は、そういった「もう一段二段、上を目指したい」人や「データベース開発経験はあるけど FileMaker は初めて」といった人にはピッタリだと思います。
また、自分では開発しないけれども、FileMaker によるシステムを発注したい、という人にとっても、FileMaker ベースのシステムとはどのようなものか、運用上どのような特徴があるのか、業者から提出された要件定義やシステム設計は適切なのか等の理解に役立つことと思います。
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posted by Kojima at 09:24|
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